“Bike Builder” の実行例
試乗するにはお望みの自転車のジオメトリ(寸法)情報を丁寧に入力する必要があります。Webで入手できるジオメトリ表をもとに、実際に一台の自転車を完成させる様子をご覧頂くことで、操作の手順や必要な情報量を理解していただければ、と思います。
サンプルにはドイツ製の”Z80″という自転車を選びました。手頃な値段で入手でき、しかも十分なジオメトリ情報が提供されていることが選択の理由です。以下はメーカーWebサイトから転記した実際の表です。今回は”size=51″の自転車を対象にします。
| size | 51 | 54 | 56 | 58 | 61 |
|---|---|---|---|---|---|
| HA | 72 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 |
| SA | 74.5 | 74 | 73.5 | 73 | 73 |
| TT horiz | 525 | 545 | 560 | 575 | 595 |
| TT C-C | 507 | 526 | 540 | 553 | 574 |
| Head Tube | 140 | 160 | 180 | 200 | 220 |
| ST C-T | 470 | 500 | 520 | 540 | 570 |
| ST C-C | 425 | 545 | 465 | 485 | 515 |
| BB Drop | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 |
| CS | 415 | 415 | 417 | 417 | 417 |
| Front Center | 584 | 595 | 605 | 615 | 635 |
| Wheelbase | 988 | 1000 | 1012 | 1022 | 1042 |
| Rake | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 |
| Standover | 719 | 738 | 757 | 777 | 803 |
| Crank Length | 170 | 175 | 175 | 175 | 175 |
| Stem | 80 | 90 | 100 | 110 | 110 |
| H-bar | 400 | 420 | 420 | 440 | 440 |
| Seat Post | 27.2 x 350mm | 27.2 x 350mm | 27.2 x 350mm | 27.2 x 350mm | 27.2 x 350mm |
1.自転車の名称、サイズ、メーカー名の入力
設定画面からバイク一覧画面を経由して、”New Bike” 画面に移動します。まずは名称などを入力してください。

2.”Bike Builder” をスタートさせ、最初のパラメータ(wheelbase)を入力する
ジオメトリ表の中から”51(cm)”の列にある、”wheelbase”の行の値を読み取ります。”988(mm)”とのことですのでこれをテンキーで入力します。

3. タイヤの外径を調べる
タイヤの外径がジオメトリ表には見つかりません。しかし同じWebページの詳細情報の欄にタイヤの商品名(”Vittoria Zaffiro”)とさらにサイズが”700×25C”であることまで判明しました。サイズがわかればそれをもとにおおまかな外径を知ることができます。

“Tyre size list”ボタンを押して、表示される一覧から”700×25c”を選択してください。

選択後に”Done”ボタンをタップしてください。元の画面に戻り、該当するサイズ(ここでは”672mm”)が外径欄に自動入力されたことがわかります。
4.チェーン・ステイ長(リア・センター長)の入力
次に進みましょう。
“Bike Builder”の2ページ目では、いくつか入力欄がある中で”チェーン・ステイ長”だけが入力を要します。ジオメトリ表の”CS”欄から見つかる、”415(mm)”を入力します。
“フロント・センタ長”は”ホイールベース”、”BBドロップ長”から逆算できるために入力は不要です。反対に”ホイールベース”が記載されていない車種の場合は”リア・センタ長”と”フロント・センタ長”の両方の入力が必要です。入力画面ではこういったアドバイスが不足していますので、改善を行う予定です。
5.クランク長とBBドロップ長の入力
3ページ目に進みましょう。ここではジオメトリ表中の”Crank Length (=170mm)” と”BB Drop (=70mm)”が入力対象です。

ここまでの結果として、画面には三つの円(クランクの軌跡と両輪)が描かれます。
6.シートチューブとサドル
4ページ目に進んでください。ここでは画面中の三つ、すべての項目を入力します。下から順に見ていきます。シートチューブの角度は表中では”SA”欄に記載されています。値は”74.5(度)”です。次にシートチューブ長は”ST C-T”欄に見つかります。値は”470(mm)”です。画面にシートチューブが描かれましたか?
ところで”ST C-T”とはおそらく”Seat tube length from CENTER of BB to TOP of seat tube”の略と思われ、BBの中心からシートチューブの上端までの長さを表しているのですが、このように寸法の名称はメーカーそれぞれによって多様に表現されています。アプリ中ではできるだけそれらを別名として紹介していきたいと思っています。
サドルの高さに関する情報が見つからなくて困っていませんか?大丈夫、ここは実車でも臨機応変に変更できる箇所なので適当な値を設定してください。たとえば”200(mm)”と入力すると次のような画面が現れます。

7.フレーム寸法の入力
ここは少々難解です。WIREDの自転車やガジェット担当のMisterCharlieさん曰く、ジオメトリの計測や表記は標準化されていないので、読み取るには「ちょっとした推理が必要」だ、とのことです。
You’ll need to pore over the actual geometry measurements of your prospective steeds to determine the right machine, which makes Test Rides more of a helpful number cruncher than a true “fitting room”.
The good news is that detailed geometry specs are available online for many better bikes. The bad news is that they aren’t always measured in the same way so you’ll have to do some sleuthing.
[WIRED 2009.8.21 Thanks MisterCharlie!]
表中の値のどれを使えばよいか推理できましたか?
答えを書きます。最初にホリゾンタル型のフレームが選択されている場合はスローピング型を選択し直してください。これで必要な入力項目が増えます。次に三つの値、”ST C-C(=425mm)”、 “TT C-C(=507mm)”および”TT horiz(=525mm)”を入力します。
ちなみに”ST C-C”は”SEAT TUBE length from CENTER of BB to CENTER of top-tube”の、また”TT C-C”は”TOP TUBE length from CENTER of top-tube on head-tube to CENTER of top-tube on seat-tube”の短縮形だと想像しています。
入力後の画面はこんな感じになります。

峠を越しました。どうぞ一休みして下さい。
8.フロント周辺の入力
この車体の情報で唯一、欠けているのがフォーク長です(理由は不明ですが、ほとんどのメーカーがこの寸法を記載していません)。詳細情報の欄にフォークの説明が書かれており、その内容は”Carbon Design with 3K Carbon Fiber Blades”でした。しかし、これだけでは私の知識では実際の長さを知ることはできませんでいした(詳しい方であればここからパーツメーカを予想して調べることができるのかも知れません)。
不明な値を知る方法は少なくとも二つあります。「メーカーに問い合わせる」か、「細けぇことは気にしない」かです。私は後者を選択し、”370(mm)”と入力してみました。トップチューブとヘッドチューブの交差具合を見ると少し短い気もしますが、タイヤに接触もせず、ひとまずはこれで良さそうです。
この画面で入力した値はヘッドチューブの角度”HA(Head-tube Angle)=72(度)”、フォークのオフセット”(Folk) Rake=50(mm)”、ヘッドチューブ長 “Head Tube(length) = 140mm”、そしてフォーク長”Folk length = 370mm”の四つです。

もう一息です。
9. ヘッド周辺の入力
ヘッドとステムを描画するためには三つの値が必要です。しかし表中ではステム長”Stem = 80mm”しか書かれていません。もう少し推理が必要なようです。
まったく情報がない場合はカタログ写真などからおおよその寸法を想像して入力するなどしてください。
しかし詳細情報をよく見ると、しっかりと記載されていました。”HEADSET: Cane Creek type 1 1/8″ Integrated with 20mm Cone and 3 X 7.5mm Spacer Stack”および”STEM: F 2.1 Adjustable 6061 3D Forged Ø31.8mm with +/-(6 or 14) Degree Rise”とあります。
これらを元に私はヘッドの高さを”70(mm)”、ステムの角度をマイナス6度にしました。70mmの根拠は「20+3×7.5+α」で、αはヘッドがステムと交差する部分までの距離(おおよそ)です。ヘッド周りの値は、不明であれば今は正確さを欠いていても大丈夫です。フィッティングの段階で調整や交換ができます。

おつかれさまでした!!
これで完成です。あとはこの車体を複製すれば、短い時間で残り四つのサイズも入力できます。