設計担当より

はじめまして、TestRidesをデザインした担当の森と申します。

すでにアプリを購入してくださったかた(どうもありがとうございます)、そして購入をご検討中の皆様にこのアプリをより深く理解していただくために、商品企画の背景などをお伝えしたいと思います。

きっかけ

このiPhoneアプリは、2009年の春、私が移動用の自転車を新調すべく、ネットで情報収集を始めたことがきっかけで生まれました。

いくつかのモデルに興味を持ったものの、どれも珍しい車種のために地方都市で試乗をするのは難しく、Web上のカタログ写真だけでは実際のサイズの見当がつきそうもありません。それなりに高価で、返品交換も気軽にはできなさそうな自転車を取り寄せや通販で買うことはとても緊張することを実感しました。

そこでカタログに併記されているサイズ情報をもとにパソコンのCADソフトで作図し、自分の体を並べて描くこととで大まかな適合の具合を確認しようと考えたのですが、せっかくなので誰でも手軽に作図ができるツールを作成することにしました。ちょうど同じ頃、iPhoneの契約条件が見直されてずいぶんと手に入れやすい価格体系になり、「アプリケーションの販売方法も面白そうだしiPhoneで作ってみよう」と、思い切ってiPhoneに機種変更をしたのは桜が咲き始めた頃です。

完璧なツールは作れない・・・?

たまたま最初に興味を持った自転車のメーカが詳細な寸法情報をWebで公開していたため、大きな勘違いをしたままプロジェクトはスタートしました。

おおまかな機能をスケッチしたあと、いざあちこちの自転車メーカのサイトを散策してみたところ、実は多くのメーカーでは十分な寸法情報を提供してはいないことを知りました。とくに私がターゲットにしている5〜10万円クラスの自転車ではそれが顕著で、これではとても実用にならない、というわけでプロジェクトはあえなく頓挫してしまいました。

それでも捨ててしまうには惜しい企画であったこと、それに少なくとも自分が検討中の自転車は十分な情報が提供されているので、まずは自分用にアプリケーションを作成し、使い物になるかを判断してみようと考えて、プログラミングを進めました。

自転車メーカの寸法の記載方法はほんとうに多様です。寸法は書かれていても、それがどの部分を計測したのが具体的に書かれていないこともあります。不足している情報は直接メーカに問い合わせるか、部品メーカのWebサイトを探せば見つかることもわかりました。

それでも完全に再現できる自転車は、まず、ありません。フォーク長やステム長など不明な寸法がある場合は、そのカテゴリの自転車で一般的な寸法を入力しないとヘッド周りが描画されない、まだまだこのアプリケーションの実力はそのようなレベルです(チュートリアルをぜひご覧下さい)。

このアプリはどこへ向かうのか

iPhoneのアプリにしては高価な値段設定をしていますが、あなたが悩んでいるその一台、それからお友達の購入の手助けをして喜んでもらうもう一、二台、あわせて十万円強の買い物を支援することで、元を取ったと満足していただけることを想定した価格です。どうかご理解ください。

それから私がこれから、どういった方向にアプリケーションを進化させていくかについて、興味を持たれ、また不安に思われることと思います。

私は自転車の、いわゆるカジュアル・ユーザです。子供の頃から自転車が大好きでしたが、大人になってからはエンジン付きの乗り物に夢中になっていたせいもあり、スポーツ自転車の守備範囲はとても狭いです。ですのでスポーツ自転車を長く楽しんでおられる方には知識がとても及ばず、とくに高価な自転車や部品の特徴などは全くの門外漢ですので、それらを対象とすることは避ける方針です。競技や高度なスポーツ用途で自転車を検討中の方に満足していただくことは今後も難しいと思っています。

To Do:

  • バイク・人の一覧選択画面の操作性向上
  • バイク情報をユーザ間で共有するためのサーバ
  • バイクの不明な寸法情報の入力補助
  • ハンドルの描画、ダウンチューブなどの描画
  • あか抜けた画面

こつこつとアプリケーションの改良を続け、できるだけたくさんの方に失敗なく自転車を購入していただき、環境や健康に貢献できればと思っています。

余談

とても古い話ですが、一度、自転車のサイズ選択に失敗しています。高校生のとき親のすねをかじって(アルバイトもしていましたが、両親のおかげで恵まれた少年時代でした)MTBを買ったのですが、大・小どちらのフレームが欲しいのかと自転車屋の親父さんに聞かれたので、小さいのは子供用だと思って「大」を注文しました。結果、えらく大柄で取り回しの難しいMTBが届いたときは不勉強さを後悔しました。

このブリジストンのMB-2というMTBで、同級生たちと夏休みにユースホステルを利用しながら大阪、奈良、和歌山、そして三重へと南紀一周旅行をしました。それからBEPALの第一回MTBミーティングにも参加しています(恐怖でへっぴり腰だった初めてのダウンヒル大会では、タイヤがパンクしたため、ほとんど押して歩きました。自分のふがいなさを友達に八つ当たりしてしまい、苦さ半分、懐かしい思い出です)。

時は流れて現在、今回、私が最初に気になった自転車(ドイツメーカ製)は、検討の最中に突然値上げしてしまい、お買い得感が消えました。次に興味を持った自転車(イギリスメーカ製)は寸法情報があまりに簡素で、製造元のメーカに問い合わせたものの、「フレームが入荷して実物を採寸するまではこちらも不明」というあきれた回答だったために候補から外しました。

さらに次の自転車(日本メーカ製)は最初に掲示板で存在を知り、詳細を知るにつれ期待度が高まりましたが、皆さん同様だったようで、悲しいかな、その後早々に売り切れてしまいました。ただ、この落胆からしばらくして、アプリケーションが試乗ができる程度に仕上がってきたためさっそく寸法を入力して評価してみたところ、自分にはコンパクトすぎて窮屈な姿勢を強いられることがわかり、選択しなくて正解だったことが判明しました。

なんだかんだと機を逸し続けているうちに、モデル年度の変わり目にさしかかったため、あちこちの店舗で旧モデルの特売が見られるようになりました。そこでふたたび物色をと思ったものの、ここはぐっと我慢、愛用のMTBをもうしばらく乗り続けながら当面は自分のためにもアプリケーションの改良に集中しようと思います。

AfterShooting